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C型肝炎

日刊ゲンダイ 平成14年5月11日号
 河野洋平元外相(65歳)が長男の太郎代議士から生体肝移植を受けて話題になっている。河野氏は、長年、C型肝炎を患っていて、そこから肝硬変を発症したという。
「C型肝炎ウイルスに感染している人は150万〜200万人。そのほとんどが40代以上です。昔はC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎を発症したら、“20年で肝硬変、30年で肝臓がん”といわれていましたが、いまは適切な治療を受ければ、半年〜 1年で肝硬変のリスクをゼロに近いところまで下げることができます」(杏雲堂病院肝臓科・鵜沼直雄医博)
HCV(C型肝炎ウイルス)抗体検査で抗体が見つかり、血中にHCVの遺伝子の存在が確認されれば、C型肝炎ウイルスのキャリヤーと診断される。さらに、GOT、GTP検査や画像診断などで病気の現状、進行度、将来の予測をチェックする。
「もし慢性肝炎になっていたら、半年〜1年のインターフェロンの治療を行います。ただしC型肝炎ウイルスの数や型などによって効果が違うので、ウイルスの数が減少し、最適と思われる時期に治療を行います。これで約8〜9割の患者さんが治ります」
慢性肝炎でも自覚症状はないので通常の社会生活は送れるが、アルコールや高脂肪の食事の摂取は避けるなどの注意が必要だ。