日経ヘルス 日経ヘルス 10月号 日経ホーム出版社 2004年9月 取材先 財団法人佐々木研究所附属 杏雲堂病院 室谷哲弥 婦人科部長 TEL 03-3292-2051 FAX 03-3292-3376 〒101-0062東京都千代田区神田駿河台1-8 |
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子宮筋腫治療の選び方 症状のある人は受診を 妊娠希望の有無で治療法は異なる 経過を見ながら閉経を待つ方法も 筋腫が見つかっても、すぐに治療が必要とは限りません。「月経過多や貧血などの症状がある人は、その治療をすぐに始めるべきだが、症状がない人は経過観察をしながら治療方針を決めてもいい」と今井医師。 治療方針を決めるうえでまず基準になるのは、今後、妊娠を希望するかどうか。希望する人は子宮を残し、筋腫だけを取る核出術が第一侯補になります。お腹を切りたくない場合は、腹腔鏡などを使う手術や、子宮筋腫塞栓術などの方法も。ただし、腹腔鏡や子宮鏡を使う手術は、筋腫の位置や大きさにより行えないことがあります。また塞栓術は、子宮にトラブルが生じることがあり「妊娠を希望する人は避けた方がいい」(室谷部長)という意見もあります。 開腹手術は敬遠されがちですが、次のようなメリットもあると杉本部長。「筋腫と思っていても、100〜200人に1人の割合で悪性の子宮肉腫が隠れていることがある。開腹手術なら、確実にその判別もできる」。一方、妊娠を希望しない場合は、子宮を摘出する選択も。筋腫だけを取る核出術では再発の可能性が常に残りますが、子宮全摘は根治につながります。また、筋腫を取らず、定期検査を受けながら「閉経を待つ」という選択もあります。筋腫は女性ホルモンの働きで育つため、閉経すれば小さくなります。 |